皆様
こんにちは。
本日は嫌われる勇気の続編である『幸せになる勇気』についてレビューしたいと思います。
愛とは決断である。
本文抜粋
結婚とは対象を選ぶことでは無く自分の生き方を選ぶこと。
この文章は第五章にあるのですが、筆者が心を打たれた部分でもあります。
前述の嫌われる勇気が『他者への貢献が自分にとっての最大の幸せ』というのがキーワードなのですが、幸せになる勇気は『幸せになる勇気は愛する勇気』がキーワードになってきます。
また前回の嫌われる勇気の中で説いていた「他者の課題」について、他者の問題について介入してはいけない、ではどうするのか? という事も幸せになる勇気では説かれています。
まずは嫌われる勇気を是非読んでみてください。
この本はどんな恋愛本や教育本より分かりやすく参考になる本でした。
読んだ後に頭がスッキリしました。

①教育と尊敬 過去との決別『これからどうするか』
教育とは介入では無く自立に向けた援助なのだと、この本には書かれております。
僕は社会人になり今まで教育されてきた側なのですが、自分の性格や個人的なアイデンティティまで否定をして教育をしようとするような人が多く感じました。
このやり方は相手に対して理解や尊敬のない教育の仕方であるという事です。
教えるという事は、対等な立場で相手へ言葉が届くように良好な関係を保つ事。
教育者は治療をするのでは無く、あくまでカウンセラーであり自立の援助するという立場なのです。
またこの本には過去と今の関係についても書かれております。
過去の失敗にいつまでも囚われているのではなく、大事なのは「これからどうするか」が重要な事。
現在の自分が過去を編集している。
僕も昔の失敗を引きずったりしています・・・過去は誰にも変えれないし、その失敗を引きずるのでは無く、これからどうしていくかという事が重要だと気付かされました。
人の悩みとは、他人を批判するか自分は被害者だとアピールするか。
大切なのはこれからどうするかということなのです。
②叱ってはいけない理由と自立について
「嫌われる勇気」でトピックになっていた課題の分離について補足説明がされています。
相手が問題行動を起こしても、それは自分の問題では無く相手の問題。介入してはいけない。
ということが私の最初の解釈でした。
「幸せになる勇気」での補足説明として、相手の決断を尊重し援助すること。不完全な部分は必要な材料を提供し相手の自立を援助する。
会社であれば、組織のリーダーは常に自立という目標を掲げておかないといけないです。
叱ってはいけない理由は、よくないことだと知らなかった→知らなかったのであれば教える。
暴力=最低のコミュニケーション
叱る=言葉の暴力であると。。かなり納得しました。そこには相手への理解や尊敬がないですね。
愛情を受けずに育った子供が、よく問題行動を起こすと言われがちです。
無関心・放置→援助をされずに生きてきた。
過剰教育・暴力→親から介入されすぎて、自尊心や相手への尊敬を失って生きてきた。
大体これに当てはまると思いました。
また友人や夫婦・会社関係者と揉め事を起こし、解決する為に話し合う際には、争いとなった原因やあら探しは後回しにして「これからどうしていくか」について焦点をあてるのが重要なのです。
③協力関係の大切さ
ここでは人間関係において、縦の関係を否定し横の関係を肯定する事について詳しく書かれています。
協力関係→横の関係
競争原理→縦の関係
子供は大人と比べて身体が小さいです。大人は小さな身体だけをみて子供扱いをし、心を見ようとはしない。
身体が小さいからこそ、協力しあって共同体の中に生きていく事の大事さを教える。
競争することなどもってのほかだということです。
人の個性とは絶対的であり、他人に価値を見出される相対的なものになれば自立はできません。
自分の価値を他者に決めてもらうこと→依存
自分の価値を自分で決めること→自立
依存した人生は自分に嘘をついて生きていかなければいけません。
縦(競争)の関係で自分の価値を決めるのではなく、横の関係で自立して他者と協力していく。
改めてこの本は人間関係についての究極本だと感じました。
④人を信頼する大切さ
協力関係の中には分業が発生します。
職場でも仕事の大小関係なく、皆がそれぞれ責任を持って、各々の仕事に従事しているからこそ大きなプロジェクトが成功する。
その中には共同体の中のメンバーを信頼するという事が不可欠です。
これは家族・友人にも置き換えられます。
自己中心的な人の関心事→自分
協力関係での関心事→他者
上記のような図式の自己中心的な人に当てはまる場合は、他人を信頼できない・信頼する勇気がないという事だと思います。
他者を信頼=尊敬する事で人間関係がうまくいく。
先に自分から与えるからこそ与えられる。与えてもらってばかりでは良好な関係性は築けません。
⑤愛とは決断 今ここを真剣に生きる
この本のクライマックスである第五章の紹介です。
この章でアドラーの哲学が全て凝縮されていると感じました。非常に読み応えのある章です。
結婚(愛)を決断しその人の事を愛しなさいと説いています。もっと他にもいい人がいると選り好みするのではなく、今の環境でベストな関係性である人を選び一生懸命愛しなさいという事です。
なんでも主語を「自分」と考えてしまうのが自己中心的な考え方です。
一方で愛する人ができたら主語は私たちに変わります。
私たちのために生きる事ができれば、自己中心的な考えはなくなり、それはすなわち自立という事に繋がります。
人はいずれ別れを経験します。その別れの時に後悔しないためにも愛する努力を惜しまない事。
愛する勇気とはすなわち幸せになる勇気であるという事です。
⑥まとめ
この本を読んで自身の「愛」という考え方について再定義してもらえたような気がします。
非常に参考になる書籍でした。
職場環境の教育に関しても非常に参考になります。
人間関係における悩み解決の究極本と言える1冊でした。

⑦書籍のアウトライン
『幸せになる勇気』
著者:岸見一郎 古賀史健
発行所:ダイヤモンド社
ページ数:296ページ
目次
第一部:悪いあの人、かわいそうな私
第二部:なぜ「賞罰」を否定するのか
第三部:競争原理から協力原理へ
第四部:与えよ、さらば与えられん
第五部:愛する人生を選べ
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